個室にて

Ars Cruenta

経験

ワクチン三回目の副反応

二回目のワクチンを受けてから早半年ということで、昨日、西宮にある大規模接種会場に行ってきた。昔はナフコが入っていた建物でなるほど大きな会場なのだが、日曜日にもかかわらず中はがらんとしていて、接種を受けに来た人よりもスタッフのほうが10倍くら…

アレルギーと好き嫌いの狭間で

好き嫌いはほとんどないほうだし、食わず嫌いというのもないのだが、どういうわけか昔からシイタケだけは仲良くなれない。まったく食べられないわけでもないのだが、口のなかであの香りがするとウッとして場合によっては吐きそうになってしまう。両親は「子…

歯磨きをしなかった人の話

今日は、こうならないように、ちゃんと歯磨きしようねという話。 子供のころ、ずっと森のなかでキャンプをするような生活をしていたためか、なかなか歯磨きをする習慣が身につかなかった。大人になると今度はお酒を飲むようになり、良い気分でそのまま寝てし…

顔のないクレーマー

最近は少し減ったような気がするが、小売店で店員を怒鳴りつけるクレーマーのトラブルは今でも絶えない。どんなクレームなのかは知らないが、後ろで待たされる側はたまったものではない。前の客の遅延行為の上、聞きたくもない怒声を聞かされるのは、周りの…

酒のある町

先日、「秘密のケンミンショー」の再放送で福岡特集をやっていたときのこと。不意に「福岡の人たちはどんなお酒を飲むんだろう」と疑問に思った。そのときは家族から焼酎ではないかという声が上がったが、結局ほかの話題に移ってしまい、調べずじまいでいた。…

繋がりと時間

人間関係と言えば、一緒にいればいるほど濃密で健全なものになりがちだと思い込んでしまう。けれどもお互いをよく知ったうえで結婚するはずの夫婦が離婚したり、ずっと同じクラスで一年生きていくなかでごく一部の生徒がいじめに遭ったり、あるいは会社の人…

淡路の「すし富」

最近、淡路島がえらく人気らしい。パソナの展開する施設があったり、グランピング施設があったり、あるいは美味しい魚が食べられたりお花畑がたくさんあったりということもあって、特に北淡路のあたりがよくバラエティ番組で取り上げられている。もっとも個…

「B級品」

先日、玉ねぎ農家さんが直売するお店で大量の玉ねぎを購入した。大きな玉がたっぷり5kgも入ってたったの950円。都会では考えられない良心価格で、こんなのでちゃんと儲けになるのかと不思議に思うくらいである。その横に「訳あり」と書かれた箱があった。聞…

コスプレと一張羅のはざまで

私のある私服が少し特殊なものであるせいか、それほど色がどぎつかったりどうこうするわけでもないのだが、稀に「コスプレですか」と聞かれることがある。なんて失礼なことだろうと思い、「いいえ、私服です、もう10年以上着ています」と答えるのだが、ふと…

高級感と距離感

最近、高級なお菓子メーカーが「え、こんなところと?!」と思うようなところとコラボする例が相次いだ。ヴィタメールがミスタードーナツとコラボし、ゴディバがマクドナルドとコラボしたときには、思わず「もうヴィタメールやゴディバで買わんとこ」となっ…

宝飾品を身に着けるということ

まだ小学生くらいのころだったか、とある水族館で500円もしない、貝を加工した指輪が売られていた。当時の私はその指輪が欲しくてたまらなくなり、いろいろ駄々をこねて買ってもらった。子供の管理能力のなさゆえか結局その指輪はなくなってしまうことになる…

万博公園にいこう

太陽の塔で有名な大阪・吹田にある万博記念公園。太陽の塔を見に行ったり、近くにあるエキスポシティのニフレルなどに遊びに行ったりという話をよく聞く。太陽の塔は内部観覧もできるようになり、岡本太郎ファンの中には何度も足を運ぶ人もいるようだ。しか…

うどんのいろいろ

めん類を食べたいとなると、うどん、そば、ラーメンの三つがおそらく今でも三銃士となるのだろうか。このなかでも我が家でも二週に一回くらいは必ずうどんを食べようかというシーンが出てくる。 一時、スーパーでいろんなうどんを買ったり、通販で取り寄せた…

続けるということ

まったく人には関係のないことだが、もうブログを再開してひと月、きちんと記事を更新し続けている。実は本ブログは毎日せっせと記事を書いているのではなく、少し時間に余裕のある時に数本の下書きを書き溜めて一日一本公開する形式をとっているのだが、そ…

古典文法の思い出

小中学生のころ、苦手な科目はいろいろあったが、特に国語の文法は全くよく分かっていなかった。形容詞が名詞にくっつくとか、その程度はまだいいとして、助詞や助動詞となると、そもそも何でこんなことをやらなきゃいけないのかとか、この用法とこの用法は…

保存か健康か

よく行く薬局で、ローリングストックを勧めるCM音声が流れている。地震などの災害時に困らないように食糧を備蓄し、その食糧を定期的に食べて新しいものを買い足すことで食糧を廃棄せずに備蓄ができるということである。いつからかこの言葉はずいぶんと広ま…

ひとつの職業、ひとつの役割?

よく聞く「○○不要論」というのは、「○○はXXをしている。しかしXXはいらない。したがって○○はいらない。」という形式をとっていることが多い。○○がなんであれ、それが果たす役割は必要のないものだから、○○自体いらないだろうというわけである。たとえば大学…

浦島太郎

コロナでなんでもかんでもリモート・メール・郵送となるなか、先日、本当に久々に京都を訪れた。本当は何度か行かなくちゃならないタイミングがあったのだが、コロナとは別のやんごとなき事情のためかなわなかった。 地価の高いであろう大通り沿いというのは…

恵方巻の不思議

毎年この時期になると、さぞ当然のように恵方巻の広告がどんと増える。毎年毎年笑ってしまうのだが、魚を食べられない人のためか、肉が好きすぎる人がいるためか、珍妙な恵方巻がテレビに映るのをどこか楽しみしている自分がいる。たっぷりのローストビーフ…

消費なき梅田

ときどき、ふと街に出たくなる時がある。寂しいときや、どうも考えがまとまらないとき、都市の雑踏のなかでただただ歩き回りたくなる。そういうときというのは、何かが欲しいわけでもないし、ウィンドウショッピングをしたいというわけでもない。だから商業…

目頭が熱くなるとき

年をとると涙もろくなるとはよくいうものの、最近はちょっとしたことでも涙が出るようになった。もっとも、そんなに年は取っていないはずなのだが。 人によっては音楽で涙が出る人もいるようだが、私の場合はもっぱら映像や文章で涙が出ることが多い。不思議…

屋台街としての百貨店

コロナ以前は、よく百貨店の食品関係の催しに行っていた。ワンコインでワインが飲めるとか、2,000円でアテ三種と日本酒三種のマリアージュが体験できるとか、北海道の何かが手に入るとか。 百貨店が良いものの集まる場所だというイメージはいまだに根強いの…

真っ白でいられない人々の物語

つい先日、「龍が如く7 光と闇の行方」を攻略した。アクションゲームではなくRPGであるから、レベルをちゃんと上げないとなかなか進めないこともあり、ほかのシリーズと比べて2倍くらいの時間がかかった。桐生一馬が退き新しい主人公ということでいったい…

酒を選ぶ基準

世の中には、酒をある種の富と権力の象徴とみる向きがある。(私は行ったことがないけれど、たとえドラマのフィクションだったとしても)キャバクラのような場でシャンパンタワーをすることは、単にお金を落としてお気に入りのお嬢さんを喜ばせるという意味…

マスクと賭け

最近、街中でマスクをしない人が前よりグッと多くなってきたような気がする。毎日マスクをするのはお金がかかるし、特に路上で煙草を吸うような人には口を閉じられるがごとき苦行なのかもしれない。 マスクをしない理由の一つとして、マスクをすることで新鮮…

「野良猫」のいない風景

先日、「坂上どうぶつ王国」という番組を見ていると、名古屋で保護猫活動をしている人の特集が組まれていた。その人は、かわいそうな猫がいなくなるよう活動しているようだが、その街を世界初の野良猫のいない町にしたいという野望を持っているようだった。…

ゲーム機はすごい

昨年の秋、10年近く使っていたパソコンがいよいよ不調となり、新しく買い替えることになった。このパソコンは、知り合いの人が組み立ててくれたいわゆる「自作PC」であり、「次からは自分で作れるように」といっしょに買い出しに行くところから組み立てまで…

期待という裂け目

このブログは昔使っていたものを再び運用しているもので、ファビコンなどは昔のままだった。そのため昨夜、適当にペイントで仮の絵を作ってそれを貼り付けたわけだが、何の気なしに黒い背景に赤い線を刻むとき、ふと一つの作品を思い出し懐かしい気持ちにな…

普段乗らない市バスに乗ることの可能性

先日、所用でJR尼崎駅近辺に向かった際のこと。用事がうまく進まず徒労に終わってしまいバスで帰ろうとした時のことだ。私はふと目前にあった、帰りのバスではない出屋敷行きのバスが気になり飛び乗ってしまった。夕暮れどきで、すでに空には三日月が高く上…