個室にて

Ars Cruenta

ゲーム機はすごい

 昨年の秋、10年近く使っていたパソコンがいよいよ不調となり、新しく買い替えることになった。このパソコンは、知り合いの人が組み立ててくれたいわゆる「自作PC」であり、「次からは自分で作れるように」といっしょに買い出しに行くところから組み立てまで一日がかりで付き合ってくれた有り難い一台であった。

 そんなわけで、次は自分で作れるようにと自作PCの入門書を買い、分からないながらにいろいろなパーツを取り寄せて組み立ててみた。HDDは分かってもSSDなんてものがいつの間に世の中に出てきたんだと思ったり、メモリがなかなかささらなかったりとトラブルはあったものの、何とか一日で起動させることができ、そのまま今までトラブルなく使い続けられている。

 ところで、パソコンでたまにゲームをすることがある。今回はグラフィックボードの購入を見送ったので、グラフィックは最低画質、解像度も最低の800×600。3D作品となると、これでもかなり負荷がかかるようで、光や炎の表現が増えるとかなりかくかくとしたぎこちない動きになってしまう。

 グラフィックボードを入れたらもっと動きがよくなるのだろうとは思うものの、このグラフィックボードというのが高い。1万円程度のものもあるようなのだが、基本は2万円以上のものが多く、上はそれこそきりがない。

 こうしてみていると、家庭用ゲーム機は一見高いようにみえて実は結構すごいんじゃないかと思ってみたりする。有機ELを組み込んだ最新式のスイッチは希望小売価格が37,980円と4万円近いが、この4万円で音響しかり映像しかりを遊んでいて何の気にもならない程度にまで開発するというのはなかなかすごいことなのではないか。昔の64なんかだとゲーム機はゲームを遊ぶだけのものだったが、ネットに接続できるようになったことで今や裏技でブラウジングまでできるらしい。まだまだ差はあるのだろうが、それでもゲーム機とスマホ・PCの差がうまっているかのような感覚を覚える。