個室にて

Ars Cruenta

万博公園にいこう

 太陽の塔で有名な大阪・吹田にある万博記念公園太陽の塔を見に行ったり、近くにあるエキスポシティのニフレルなどに遊びに行ったりという話をよく聞く。太陽の塔は内部観覧もできるようになり、岡本太郎ファンの中には何度も足を運ぶ人もいるようだ。しかし案外、国立民族学博物館には行ったことのない人というのがいる。博物館というと遊びに行くイメージがない人もいるのだろうが、渋沢敬三のアチックミュージアムと万博時代の蒐集活動の交差点にあるこの博物館は、文字通り一日楽しめる巨大博物館である。世界各地の食具から儀式用の仮面、棺桶まで、生活に関わる様々なものが所狭しと並べられているのはそれだけでも圧巻だ。スケッチをする人、可愛いものを探す人、いつ行ってもみな様々な思惑をもって展示物を見ている。

 常設展示だけでも夥しい種類のものが展示されているのだが、ときおり開かれる企画展はこれまたユニークなものが多い。テーマによっては、館内のレストランと連携し、レストランで各国料理がふるまわれることもある。値段はちょっとお高いが、聞いたこともない料理を食べられたりするので、いいきっかけになる。

 万博公園はいろいろのものがあって歩き回っているだけでもいい気晴らしになるのだが、これからの時期はやはり梅がオススメ。かなりの品種と本数があるため、満開の時期に歩き回れたら楽しいのだろう。残念ながら私が行くときは、いつもちょっと早すぎたり遅すぎたりする。梅に縁がないのかもしれない。

 また、身体を動かして楽しみたい人には、万博BEASTなる巨大なアスレチックもある。1時間3,500円というなかなか恐ろしい値段設定だし公式HPなどを見ていると若干、子供向けのような感じもする。けれども関西のテレビ番組でよく吉本芸人の人たちがロケで楽しんでいるので、アスレチックとデカいものが好きな人には垂涎ものなのではないだろうか。

 つらつらと万博公園のスポットを書き連ねてきたが、月1程度で訪れるわけでもない。年に2度くらいがせいぜいだろう。それでもときどき気分が疲れたとき、ふと行きたくなるのが万博公園なのである。入園料や入館料を支払ってでも、あの広々とした空間に身を置いて、その日の気分で何かができるという気持ちのゆとりが得られる場所なのだ。