個室にて

Ars Cruenta

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Lost Judgmentと二つの正義

※ネタバレしかありません Lost Judgmentの本編を終わらせて数週間は経つだろうか。いじめ加害者に対する十数年ぶりの復讐、その裏で、かつていじめに加担した生徒たちを使って悪質ないじめ加害者たちを何人も殺してきた元国語教師、そして「カタギ」の心優し…

自分の痛みを嘆くには

昔、こんなことがあった。とあるところで抗議活動をしている人たちがいて、そこにはそこそこみんなから愛されている一本の木があった。彼らは自分たちが酷い仕打ちを受けているのだとビラを配り、その内容について滔々とマイクで演説をしていた。たまたま通…

過去との向き合い方

昨夜はコロナが始まって以来、初めて盛大に羽目を外した。三軒も梯子したのなんてコロナ以来初めてじゃないだろうか。付き合ってくれたのは同じ会社の元上司。元上司と言っても社内での勤続年数はこちらの方が長く、一年足らずではあるものの一緒にいろいろ…

暗い正義

先日、「アダムズ・ファミリー2」が金曜ロードショーで流れていた。ちょっと忙しかったのだが、2は見たことがなかったということもあって作業をしながらテレビをかけていたのだが、2はもはやウェンズデーの物語が濃密すぎて、ベイビーのことなどぶっちゃ…

怒らせる謝罪

よくキレる人よりも、だいたいのことは笑って済ませてくれる優しい人の方が、本気で怒ったときは怖い。すぐ感情的になる人と違って、いつもニコニコしている人はいろいろなものを押し殺してニコニコしていることが多い。よほど人間に関心がなくてニコニコし…

ナイフの話

ナイフにもごついのから五徳ナイフのような小さいものまでいろいろあるが、やはり一番手になじむのは少し小さめの、柄と刃の長さが1:1で柄がしっかり手に納まるくらいのサイズだと思う。これより小さいと切りものをするのが大変だし、これより大きいと切…

バックステージ

最近、事あるごとに自分のお役目は帳尻合わせと涙をのむことにあるのだなと思う。たとえば自分の尻ぬぐいもできない人の代わりに余計な作業をこなして帳尻合わせをして、「いえいえどうということはないですよ」と言いながらバックステージでポタポタと血の…

「帳尻合わせ」の論理

「Lost Judgment」に登場する、相馬という男が好きだ。別に良い男と言うわけではない。というか、相当ヤバい奴で、平気で人を刺すし、物語中の重要人物も殺してしまう。その正体は半グレのリーダーでもなくもっと別のもので、最終章までキーパーソンになり続…