個室にて

Ars Cruenta

淡路の「すし富」

 最近、淡路島がえらく人気らしい。パソナの展開する施設があったり、グランピング施設があったり、あるいは美味しい魚が食べられたりお花畑がたくさんあったりということもあって、特に北淡路のあたりがよくバラエティ番組で取り上げられている。もっとも個人的なオススメは南あわじにある小さな料理民宿なのだが、本州から渡ってすぐ遊べるという意味では便利な所なのかもしれない。

 我が家の場合、海鮮を食べに淡路に行っているようなもので、とにかく行ったら必死になって食べている。刺身やお鍋は旅館で食べられるから、昼食にどうしても食べたくなるものの一つがお寿司ということになる。ところがこのお寿司屋さんというのが意外と厄介で、なかなか好みの寿司に出会うことができなかったり、美味しそうと思ったらかなりの高額だったり、あるいは月曜定休だったりで、ちょうどいいところが見つからずにいた。

 そんななか、実は高速道路に設置されたハイウェイオアシスに「すし富」というお寿司屋さんがある。高速のSAみたいなところのお寿司屋さんと最初は期待もあまりしていなかったのだが、実はここが意外な穴場で、オススメだ。

www.awajishimahighwayoasis.com

なにより良いのは、江戸前スタイルでシャリとネタのバランスがとても良い。おまかせにぎり寿司の横に「小鉢、吸物付」とあるが、この小鉢もなかなかすごい。先日訪れた際は、最初に少しずつ盛られた三種盛が出てきて、お寿司を食べているうちにぶり大根まで出てきた。もちろん、お吸い物もついている。これだけついてお寿司10貫で4,000円なのが松。内容もクエ、キモ付きのカワハギ、キンメダイ、シマアジ、サワラ炙り、活車エビ、サザエ、蒸アナゴ、黒ウニにとどめがトロと、期待を裏切らないラインナップだ。

 これに天ぷらと牛の炙り寿司がつくのが特上と言ったところだろうか。私が訪れたときは、別のお客さんが特上らしきものを食べていたが、横で卑しく何が出されるか聞き耳を立てている限り、一種類くらいしか違うものはなかったように思う(こっちはフグの代わりにサワラの炙りが出たのかなと思う)。お寿司をたくさん食べたい人は、贅沢したくても松でとめておいて、それから単品注文をしたほうがいいだろう。もっとも、単品注文はセットの4,000円を思うとどうしても高くつくのがたまに傷。海鮮巻きなど巻物もおいしいので、そちらを攻めるのもありだろう。