個室にて

Ars Cruenta

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

燻しすぎ

コロナ以前から、燻製は少しずつ人気になっていた。自宅でも簡易な装置で燻製ができるグッズが販売されたりして、秘かなブームだと思っていたのだが、コロナでおうち需要やキャンプ需要が一気に増えたことに伴って、燻製は作る意味でも食べる意味でも一気に…

フレッシュ

学生時代、近所のお店で働きだしたとき、私はいつも何かをひとに尋ねていたし、最初の数か月はずっと震えていた覚えがある。個人的な家庭教師や短期の肉体労働、実験の被験者などはつとめたことがあったものの、大きな会社の一員として定期的に働くのは初め…

他人の手間

他人に手間をかけさせることを何とも思わない人というのは、いろんな形で現れてくる。原因を調べずすぐに「物が壊れた」と言う人から、店に入って何がどこにあるかと人を案内させる連中まで、千差万別であるが、人に手間をかけさせる以上、そういう人たちは…

休憩時間の過ごし方

職場の休憩時間の過ごし方、これがなかなか安定しない。総じて次の仕事の用意をしたり、別の仕事の用意をしたり、家事を含めたシャドウワークに勤しんだりと、結局おおむねほかの仕事をしているのだが、こうした仕事の用意というのは毎週毎週変わってくるも…

「できる人」

先日久々に近所のブックオフを訪れた。初めて入ってからもう15年にはなるだろうか、昔は岩波文庫や各種新書もそれなりに充実していて、回転率が良かったからだろうか、100円でいいものも手に入っていたのだが、行くたびにプラモデルやゲームのコーナーが広が…

安ワイン

ワインが好き、と言っても人によってさまざまで、私なんかは1,000円を超えると贅沢をしているという気持ちになる。1本700円前後で済ませたいのが本音だし、贅沢するときでも2,000円くらいまでかなと思う。というのも、何万もするワインが美味しいのかと言わ…

ありがたい友達

日ごろ仕事をしているとなかなか友達に会うこともできないので、ついつい孤独に生きていると思い込んでしまうものだが、意外と人と人の縁というのはしぶといもので、連絡を取れば案外なんらかのレスポンスを返してくれる人というのは多い。一緒にあちこちお…

夢という経験

よく知識の哲学の分野で、幻覚や夢のなかで起こったことについての信念をどうやって知識に含めないかという問題が取り上げられる。たとえば夢のなかでライオンに追いかけられているとき、私は夢のなかで「ライオンがすぐそばまで来てる!」と思うかもしれな…

私だけの推し

テレビで、まるでそれが良いことであるかのように「推し活」が話題となっている。最近では何の設定もない「推しのつけている香水」を作るサービスまであるそうで、そこまでいくと私は多少の怖さを感じる。というのも、推しが好きだという気持ちは否定されな…

冷蔵庫の故障

昨日、仕事中に「えっ」と軽い悲鳴が出そうになる連絡がきた。家の冷蔵庫の電気がつかないのだという。連絡を受けたとき、真っ先に聞いたのが冷えてはいるかという点だった。幸い「電気」というのは照明のことだったらしく、冷蔵機能自体には問題がないらし…

有害な味方

よく映画やRPGなんかで、裏切る仲間とか、変なスイッチを押してしまって大変な状況に陥れる仲間というのが出てくる。コメディタッチならそういう仲間はハプニングキャラで物語に笑いを付け加えてくれるし、シリアスなら裏切る仲間はたいてい物語のキーパーソ…

ファッション

いつも大きな商業施設に入ると、服屋の多さに戸惑う。考えてみれば百貨店のほとんどのフロアはファッション関係だし、梅田にある多くの商業施設はその半数以上が服飾店で構成されているんじゃないだろうかと思えるくらいだ。それほど服にこだわりがないのだ…

分相応な生活

ときどき思うのだが、我が家は食べることが好きすぎて、分不相応といってもいいほど贅沢をしている。もちろん、「贅沢」といっても、百貨店で高い肉をバンバン買うわけではなく、美味しいものを安く手に入れるために様々な涙ぐましい努力をしている。野菜は…

舌っ足らず

よく酔っているのと間違えられるし、実際に酔っぱらうと余計にひどくなるのだが、子供のころからどこか舌っ足らずなところがあって、舌がもつれてうまく話せないことが意外とコンプレックスになっている。たとえば日本語で「ロード」と「道路」がきちんと言…

仕事の値段

とかく安い給料で人が使われる時代なのか、しょっちゅう「自分の得ている賃金に見合うだけの仕事さえすればよい」とか「この給料でそこまで求められても」とか、(最近は一部業界を除きあまり聞かなくなった気もするが)「やりがい搾取」といった言葉をよく…

山登りのリュック

人によってはかもしれないが、誰だって、多少かっこつけてでもスーツをパリッと着こなしてどこかに出ていきたいときがあるだろう。荷物が多いようならせめて背負いのリュックではなく鞄を・・・と思うところだが、仕事柄荷物がどうしても多くなってしまい、…

友達作り

このブログでもたびたび触れているような気がするのだが、大人になって友達や恋人を作るのはなかなかむつかしいなと思う。どういう形であれ働いていると、なかなかうまく時間を作ることができない。特に自分の場合、複数の仕事を掛け持ちしながら昼から夜中…

ちびちびやる能力

私の父はビールしか飲めない。厳密にいうと、私がおいしそうに日本酒を飲んでいるとちょっとよこせと飲むのだが、ビールと同じようにあおるように飲むので、すぐにべろべろになってしまう。少しずつ飲むものだと言っても聞きやしない。それでいてシラフのと…

カップ麺と冷凍食品

最近生活が変わって面白がってカップ麺を食べる機会が増えたが、これまでなら年にせいぜい数回程度しか食べなかった。それもありがたいことに、必要に迫られて食べるというよりも、もっぱら酒を飲んだ後にお出汁のきいたものが食べたいとか、小腹が減ったと…

笑顔が好き

当たり前と言えば当たり前の話かもしれないが、人の笑顔が好きだ。知り合いや友人と楽しい時間を過ごして、たとえ社交の場であったとしてもお互い笑いあって過ごすのが、自分の幸せな時間となっている。ただそれだけではなく、自分に関係のない人であっても…

感情の世話

自分自身の感情を適切に管理しないと他人とはなかなかうまくやっていけない。人が自分の気持ちを慮ってくれるかも大事だが、そもそも慮ってもらえる程度には感情を世話してやらないと、周りから人が離れていってしまうか、後述するようにピエロのようになっ…

ボーっと生きてちゃならんのか?

NHKでかなりの人気番組となっている「チコちゃんに叱られる」。自称5歳のチコちゃんが演者に素朴な疑問を吹っ掛け、答えられないと「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と𠮟られ、チコちゃんが答えを発表し、専門家がそれを解説する。一見して小さな子供の素朴…

chromebookとOfficeは相性が悪い

昨年の冬のこと。今まで使っていたノートパソコンがだいぶ古くなってきて、しかも仕事で使い勝手が悪いということで、新しいパソコンを買いに行った。デスクトップのパソコンは10年以上前に家族の知り合いが作り方を教えてくれたのを思い出しながら、初心者…

「目分量」という技術

料理があまり好きではない人が、レシピの「目分量」や「適量」に怒っている姿を目にする機会は割とあるのではないだろうか。実際自分が料理を始めたとき、「塩 適量」の表示にうろたえた覚えがある。よくよく考えればちょっと入れてみて足りなければまた入れ…

久々に知り合いと会うとき

新生活の前に会える人には会っておこうと、この二か月ほどで何人もの人と会った。ストーカー被害に遭った影響の余波で去年度はろくすっぽ人と会えなかったのだが、それにしてもすごい頻度でいろんな人と会ってお話をした。そのなかには、6年も会っていない…

味を変える

世の中には何度でも食べたい味というものがあるのだが、とかく最近は「味変」がブームである。たった一杯のラーメンを食べるのに、「途中からお酢を入れましょう」「高菜を加えましょう」「ラー油を入れましょう」と、いろんなものを客に入れさせるお店がす…

自営業とサラリーマン

我が家は自営業で生きている。子供のころから父がお店をやり始め、何とか今まで切り盛りしてきた。自営業のお店はいろいろあるだろうが、こうしたお店で生まれ育つ人とサラリーマン家庭で育つ人の間には、しばしば相応のカルチャー・ギャップがある。すごく…