個室にて

Ars Cruenta

chromebookとOfficeは相性が悪い

 昨年の冬のこと。今まで使っていたノートパソコンがだいぶ古くなってきて、しかも仕事で使い勝手が悪いということで、新しいパソコンを買いに行った。デスクトップのパソコンは10年以上前に家族の知り合いが作り方を教えてくれたのを思い出しながら、初心者向けの本を何日も読んで曲がりなりにも自作したのだが、ノートパソコンとなると自作するわけにもいかない。最初はSurfaceをねらっていたのだが、これが結構高い。パソコン売り場はスペック売り場で区切られているのではなくAppleSurfaceDELLなどとブランドごとに区切られているので、どうしてもブランド間の違いが見えてこない。声をかけられてもなかなか自分の求めるスペックがパッと出てくるわけでもないので、とりあえず手ごろで使いやすそうなのをいろいろ見て回っていた時、Chromebookってどれも結構安いじゃんと、試してみる気になった。

 結局買ったパソコンは5万円ほどのLenovo製、これならケガをしてもまあ致命傷にならない。たとえばF1, F2などのキーがなく代わりの見たこともないキーが並んでいたり、右クリックのやり方がちょっと独特だったり、いろいろ違うところがある。まあそこは慣れていけばいいかというつもりでの買い物だった。しかし、一番大きな問題が残っていた――Officeとの互換性の問題である。

 もともと、Googleの提供するGoogle ドキュメントやワークシートは、Officeと互換性があるものの、完全に同じように扱えるわけではないということは知っていた。たとえばWordで作った文書をドキュメントで開くと、大抵は文字が小さくなってデザインが相当変わってしまう。ただそれでも、たとえばOfficeをオンライン上で使えばこの問題は解決するのだと担当者は言った。確かにそうかもしれないと思っていたのだが、実際に使ってみるとなかなかそうはいかなかった。たとえばパワーポイント。オンライン版のOfficeだと、かなり機能が制限されるうえ、Chromebookでプレゼンをすると、再生した音声が途中で勝手に次のスライドに移る、タイミングの設定をしていないのに勝手に次に行くということが頻発した。しかもGoogleスライドでは、音声再生は対応していないらしい。これは困った。

 たえかねて「そういえば最悪Officeを入れたらよい」と言われていたのを思い出し、今度はOfficeをChromebookに入れようとするも、今度はそれも許されない。出てくるはずのボタンが出てこないので調べてみると、ChromebookにOfficeを入れること自体、そもそもできないらしい。ここにきて、このパソコンではパワポを普通に使うことは出来ないということが分かったのだ。

 僕に懇切丁寧にいろいろ教えてくれた担当者を恨むつもりもないが、少し文句は言いたいような気がする。Chromebookを使う際は、もうきっぱりGoogleの提供するアプリを使うようにして、外部から提供されるPPTはあてにできないと思ったほうがいいのかもしれない。とはいえ、Chromebookにはそれなりの良さもあって、パッと画面を全画面にするボタンは結構便利だし、音声込みの録画も割と簡単にできる。(Zoomはちょっと使いづらいと聞いた)やはりちゃんと調べて買いましょう、という話でした。