個室にて

Ars Cruenta

笑顔が好き

 当たり前と言えば当たり前の話かもしれないが、人の笑顔が好きだ。知り合いや友人と楽しい時間を過ごして、たとえ社交の場であったとしてもお互い笑いあって過ごすのが、自分の幸せな時間となっている。ただそれだけではなく、自分に関係のない人であっても、笑って写真に写っている姿を見るととても心が和む。憂鬱で希死念慮に悩まされているときでも、ふと何かの拍子にそういう写真を見るともう一度考え直そうという気持ちになることがある。

 ただもちろん、広告にあふれたこの世の中、別に広告で笑っている人を見れば何でもハッピーに感じられるというわけでもない。笑顔にもいろいろあって、どこかで自分の気持ちを鼓舞してくれるような笑顔というものがやはりあるのだ。笑い方に大笑いから静かな笑みまでさまざまな幅があるように、笑いの質にも、人をどのように動かすのか様々な幅があるのだと思う。自分も、少しは人を鼓舞できるような笑みを浮かべられるとよいのだが。