個室にて

Ars Cruenta

山登りのリュック

 人によってはかもしれないが、誰だって、多少かっこつけてでもスーツをパリッと着こなしてどこかに出ていきたいときがあるだろう。荷物が多いようならせめて背負いのリュックではなく鞄を・・・と思うところだが、仕事柄荷物がどうしても多くなってしまい、それこそ手か持ち手が引きちぎれそうになるくらいのものを持ち運ぶことも多い。そういうときに頼りになるのはリュックサックであり、最近は開き直ってYシャツに、子供のころから使っているNorth Faceのリュックを使っている。

 高校生の頃は山の上の高校に通っていたので、毎日が地獄だった。一説によると「置き勉」しなければ10kgくらいになる荷物を背負って連日時間がないなか坂道を上っていたのだ。お金持ちの生徒は数人でタクシーに乗っていたが、4人で割ったとしても、一人当たり本当に数十円足せばうどんが食えるくらいの金額がかかったはずだ。

 山登り用のリュックというのは、案外半端ではない性能を誇っている。身体を支え、たくさんの荷物を入れてもなかなかへこたれない。15年以上使っても今なお使えるのに、結構な値段のしたはずのビジネスバッグはちょっと荷物を入れただけであっという間にへたれてしまった。使い方が悪かった覚えはないのだが、そもそも多少の書類を入れて持ち運ぶカバンと考えると、そもそもの用途が違うのかもしれない。おしゃれなタウンシューズで無茶できないのに、安い作業用の靴がしっかり持ちこたえるのと同じようなことなのかもしれない。

 とはいえ15年も使っているのだから、丈夫は丈夫だが、いい加減買い換えたいと思っている。ところが近くのスポーツデポに行っても、なかなか登山用のリュックは売っていない。もっぱら部活の学生が使いそうなリュックばかりが並んでいる。やはり梅田にでも出て探しに行くしかないのかしらん。