個室にて

Ars Cruenta

「女」友達

 以前、「あいつはいつも女の子と一緒にいる」みたく、プレイボーイのようなことを書かれたことがあって、なんとなく怒りたいわけでもなければ単なる事実とも認めたくないような、不思議な感覚に陥ったことがある。というのも、男子校にいた6年間の特殊な時期をのぞけば、生物的に男性である私の友達は生物学的には女の子ばかりだったような気がするからである。

 たとえば幼稚園の頃、私はよくセーラームーンごっこで、女の子にやられる悪役ばかりやっていたらしい。小学校にあがっても、男子の家に遊びに行くのはゲームをしに行くためという即物的な都合が多く、ごっこ遊びなどでは割かし女の子と遊んでいた。当時鬼ごっこやかくれんぼといったゲームは男女の垣根のないものであったが、やはり女子との付き合いが多かった気がする。その分、喧嘩もしたし、場合によってはこちらも相応のけがを負いながら「女の腹を蹴った」と相手方の親が怒鳴り込んでくることもあったのだが、まあ全体的な傾向としては間違ってはいない。

 中高は男子校に通っていたから同年代の女性との接触はほとんどなかったのだが、大学に入っていろいろ遊びに行くのも、なんだかんだいって女性と一緒の方が多かった気がする。自分がそういうのを望んでそうなったのか、自分の趣味でそうなったのかは分からないけれど、少なくとも言えるのは、ガチガチの運動部系男子とはやっていけそうもないというところだろうか。お茶を飲みに行ったり、ちょっと一緒に街を歩き回ってお店を冷かしたり、そういう趣味に合う人と一緒に遊べて楽しかったと思う。