個室にて

Ars Cruenta

マスクと発声

 コロナ禍に入ってずっと悩んでいることのひとつが声の出し方だ。マスクを外で常時身に着けるようになってから、口を大きく動かすことが難しくなった。口を動かせば動かすほどマスクがずれてしまうためだ。そうするとなるべく口を動かさないように話すようになり、これに伴い舌の動きも制限されて、ただでさえ悪い活舌がさらに悪くなってしまう。

 よく人と話すためになぜかマスクを取る人がいるが、それなら最初からつけていないほうがマシだろう。かといって、口を大きく動かさずに大きな声で話せばいいというものでもない。単に声量があるからといって聞き取りやすいとは限らないからだ。以前テレビがどこかで聞いた話だと、単語の先頭を少し高めの声で言うと、聞き取りやすいらしい。

 最近思うのだが、大きく口を動かしてもマスクがずれないようにするには、二重マスクが有効なのではないか。不織布マスクの上からウレタンマスクをして固定することで、マスクと皮膚の隙間を出さないのみならず、ある程度筋肉を動かしてもマスクがずれにくくなるのではないか。我が家にはウレタンマスクがないのでまだ試せていないのだが、もしそうだとすれば声を使う仕事をする人には朗報になるかもしれない。

 備忘録代わりに。