個室にて

Ars Cruenta

書かないといけない状態

 しばらく前、「書かなくてよい状態」というタイトルでブログを書いた。要は、自分がブログを書くのは辛く哀しい状態を紛らわせる必要があったからだが、ある種の心の平穏を得たから書かなくてよい状態にまで至ったという話だ。しかし今、自分は再び前と同じ理由で書かないといけない状態になってしまった。原稿はあまり進まないのに、何か話題を決めて書かないと、気持ちがどうにかなってしまいそうになる。

 最近、家族がケガをして動けなくなってしまい、家事の大半を仕事をしながら担うことになった。料理を作るのは好きなのだが、洗濯というのはやはり何とも言えず面倒な作業だ。タオルや下着を入れてスイッチを入れると1時間くらいの待機時間がかかる。そのうえで洗ったものは干さないといけない。干したら干したで、またかなりの時間を待って、それを取り込んでたたまないといけない。これを人数分やるのだから、結構の手間で、しかもここに天気という偶然的要素や、Yシャツは別で洗わないといけないといった面倒が加わる。一つ一つは大したことがないのだが、被服というのは厄介なものである。

 そんなわけで料理も少し手抜きをして、数年ぶりにスーパーで鍋のもとを買って使ったりするのだが、いつもたっぷりだしを取ってスープを作るので、久々に鍋のもとを使うと「スープ少ない!」と不安になる。二度ほど炊いて〆までいけるだろうか、水を足したら味も調整しないといけないだろうかなど、いろいろ考えていると、残念ながらこの悩みは杞憂ではなく、最後の〆がラーメンではなく蒸し焼きそばのようになってしまったりする。とはいえ2パック使うなんて贅沢できないし、これはこういうものだと割り切るほかないのだろう。なにせ鍋のもとさえあれば野菜を切って煮るだけでよいのだ。