個室にて

Ars Cruenta

服を買う

 いろんなお店で買い物をするわけだが、いまだに苦手なのがやはり服を買うことである。自分のスタイルがどれほど定まったところで、ユニクロ一つ行くことに抵抗がある。

 たとえば靴や帽子、服はある程度自分でうまく調整して買うことができる。足の大きさと便利に使える靴を一つ知っておけばAmazonで宅配してもらえるし、気に入ったブランドの帽子を見つければ、またそこのブランドを探してこれまたネットで注文できる。これができないのがスラックスなどの長ズボンなのだろう。どうしても自分のそのときに合わせてウエストを調整し、しかも股下を調整しなくてはならない。その調整をするためには一度はいて見なくてはならず、はくためには実地に店舗を訪れ試着しなくてはならないというわけだ。

 これを思うと、コーディネーションなどを楽しめる人というのはすごいなと思う。こっちはズボン一つ買うのに面倒さを感じているのに、様々な服やスカートの組み合わせを楽しめるというのは、一つの才能であり、まちにこれだけ服飾店がたくさんあるということは、そうしたことを楽しめる人がたくさんいるということなのだろう。もちろん自分もパーソナルカラー診断なり自分に合った服を見繕ってくれるサービスを使ってみたら、いろいろ意見が変わるのかもしれないが、漫画やアニメの登場人物よろしく、ある程度同じような服を同じように着続けているのがついつい楽に感じてしまう。