個室にて

Ars Cruenta

主食とサラダの狭間で

 ペンネサラダとか、マカロニサラダというサラダがある。細めのパスタを湯がき、ポテトサラダのようにほかの具材と混ぜ合わせて仕上げるアレのことだが、先日、ふと思い至って「パスタを作るようにサラダを作るとどうなるのか」と思い至った。何を言っているのかというと、ふつうパスタを作るとき、たとえばジェノベーゼソースを入れたりトマトソースを作ったりして、具材とパスタをそこであえる。それと同じように、塩コショウやマヨネーズで調味するのではなく、ソースでマカロニサラダを作ったらどうなるのだろう、と思ったのだ。

 ちょうどジェノベーゼソースの余りがあったのでネットで検索をかけてみると、みんな百も承知なのかレシピがたくさん出てきた。ジェノベーゼソースとマヨネーズを1:1で混ぜるレシピが出てきたので、これでいこうということになった。生食用のシーフードミックスを入れて早ゆでパスタを加え、ポテサラよろしくゆで卵をカットし玉ねぎときゅうりを加えた。出来上がったものを見たとき、サラダを作ったようで、自分は「冷製パスタ」を作ったのだと気が付いた。

 もちろんここで問題にしたいのは、サラダと冷製パスタの違いではない。変わり種パスタだと思ったものも、ソースを使って仕上げることでメインディッシュにふさわしいものが出来上がったことを強調したいがための言い回しである。実際、その日のメインはこのジェノベーゼペンネサラダとなったのだから。冷製パスタと言えばカッペリーニを使って水気をしっかり絞り、レモンソースなど夏にふさわしいお洒落なものを仕立ててと、家で作るには何かと面倒なレシピがよくテレビで紹介されている。でも「これでいいじゃん」と。マカロニサラダをひと工夫するだけで、十分美味しい「冷製パスタ」になると気づき、今後また何かちょっとソースを変えてみようかな、などと思った一日だった。