個室にて

Ars Cruenta

阪神百貨店のニューホープ

 先日、「魔法のレストラン」で昔からある「いとう」が骨付き肉を売る精肉店としてえらく褒めちぎられていた。リニューアル前、「いとう」のスタッフはいつでも「この値段は今だけ!」と安売りであることを強調し、よくよく観察していくと閉店に合わせて少しずつ値段を下げていくのだった。そのお店が今ではずいぶんとブースが大きくなり、今も同じことをやっているのかは分からないが、「えらくなったなあ」と思う。いろんな意味で。まあ、母体が伊藤ハムという巨大企業なので、場所さえあれば大きくするのはできるのかもしれないが。

 阪神百貨店のリニューアルで、実は別の精肉店が参入したということを知らない人もいる。神戸出身の大井肉店である。高級和牛専門店を謳うだけあって神戸ビーフなど、目が落ちそうなほど高い肉がたくさん並ぶ。ただ庶民でもまだ手が出せるものがあり、それがホルモンのタレ漬けで100gあたり324円くらい。何度か買って食べてみたが、値段に見合う美味しさで、たれもおいしいし、ホルモンもシマチョウはジューシーで、ミノもサクサクとしている。シマチョウやミノを単品で買おうとすると100g600円くらいするのに、タレ焼きだと割とお得に買えるのがすごい。

 もっといろいろ試してみたいのだが、正味の肉となるとさすがに手が出せず、100g 1,000円は軽く超えてくる。ただそれでもまだ買えそうなものはあり、たとえば190円くらいでハンバーグが売られている。そんなにサイズは大きくないものの、タレのホルモンがおいしいのなら、あれもおいしいのかもしれない。実際、昼過ぎに来店したとき、誰かが「あ、まだハンバーグある!」と興奮気味に話していたのを見かけたのだ。また、ブースの端ではローストビーフも売られており、切り落としは980円くらい、正味のものはワンパック1,300円くらいで売られていた。これくらいなら、試してみることもできるかもしれない。

 せっかくリニューアルしたのだから、新店舗をしっかり楽しめるようにしたい。