個室にて

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冨田恭彦『カント入門講義』

 

  入門したかったので読んだ。相変わらず丁寧な解説で、同じことを色々な仕方で説明し直してくれるので話が分かりやすい。最終章の「歪んだ論理」についてはもう一冊書かれたあっちを読まなきゃならないなあ、などと。

 あとがきによると、これまで科学史の流れを顧慮した純粋理性批判についての「わかる」本が無かったから自分で書いたとのことで、前書きを見ると「ですます調だけどレベルは落とさないし、いわゆる「専門書」よりレベルは高いかもしれない」というようなことが書かれている。具体的には出てこないが、どこか棘がある。

 ちょっとわかりにくかったというか引っかかったのは、「図式」(Schema)という言葉。「概念図式」という言葉が現代の哲学で使われるからそんなに疑問にも思っていなかったんだけど、「像と図式は別物でしてね」みたいな話をされると、Schemaってなんで「図式」と訳されるんだろうって改めて疑問に思った。伝統的にそうなっているだけなのかもしれないけど、図式って日常使うときってどっちかというと「像」に近い印象がある。ドイツ語大辞典とかだと、1aに「図式」ほにゃほにゃという説明があって1bがカントの超越論的図式のこと、となっているのだが、2に「ひな形」「パターン」みたいな意味も出ている。「型」とかじゃだめなんだろうか。よくわかんない。